船はかつて海外では女性の名前が付けられたように女性です。大勢の男たちで操ってもなかなか思うようにいかない。その日の風で気分が変わる。化粧をする必要がある。金がかかる。これ以上書くと怒られます。

化粧は船底にも必要です。あまりに汚れていたので写真撮りました。船底は汚れます。藻やワカメ、カキ、フジツボ、などが生える畑になってしまい汚れ以上の惨状なります。船底塗料を塗っていないとこうなります。塗っていてもそのうちこうなりますがここまでにはなりません。こうなるとプロペラが水を掻くことが出来ずに船底に水もきれいに流れなくなりまともに走りません。

船底塗料は塗膜自体が徐々に海中に溶け出すことで生物の定着を防ぐものですのです。自己消耗型や加水分解型など型がありますがあまり型は気にせずに塗ることが大事ではないかと思います。溶け出すので環境にも影響がありますからメーカーは毒性にも気を遣っています。昔は強烈だったようです。

船体の水に浸かっている部分(船底)は船にとって大事です。形状は船の走行性質に大きく影響し停船中も形状からくる重心が揺れに影響します。船底の平滑さは速力や燃費にモロに影響し、バルチック艦隊の敗因の一つになったと言われています。ロシアから日本に来るまでに大量の生物が船底が付着してしまったのです。今でも商船はオーストラリアや中東など行先の海水の性質に合わせて塗料の成分を変えているそうです。

当然マリーナでの陸上保管は船底塗装の必要はありません。陸上保管のメリットは他にもありますがこれは大きいです。費用は掛かりますが海上保管もタダではないのです。塗料の値段はペンキの数倍。最低でも毎年塗り替えする必要があります。