そもそも論の典型
この問題は略図と文章をよく読み込み海域の特徴や風向きなどを理解したうえで想像する必要があります。いくつかポイントはあります。まず磯波が発生しやすい海域だということ。操縦が大変困難な海面状況だったと想像できますが陸に押される風向きから左ではなく右に転舵して沖に出るよう操縦するべきでした。怖くなってくると陸近くに寄りたい心理になりがちですがそれは間違いです。ボート自体の堪波性能もあるとは思います。そんな現場での「操縦不適切」もあると思いますがこの海難の主たる原因は「気象海象不注意」。そもそも「出航を中止すべきだった」。その一点に尽きるのではないでしょうか。
波高2m、風力5・・などから気象予報や現地の波風を見て出航中止と判断することは難しくなかったと思います。それが出来なかったのであれば判断力技量不足でしょう。一方で経験や技量もありながらこういう海難を起こしてしまう人もいます。多いのが「過度な冒険心」。ボートオーナは船で海に出ようという方なので冒険心が旺盛な方が多いのは当然です。それがあまりに過度な方も若干いらっしゃいます。この船長がどちらだったのかは分かりませんが大体の方は事故にならない程度に怖い思いをしながら経験を積んで丸くなっていくものです。
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