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<キック>
クルマが曲がる際、舵は前輪なので前が動きますが船は舵と船体を押すプロペラが船尾にあり船尾を外側に振り出しながら旋回します。この操縦特性をキックと言います。
※陸上の乗り物ではフォークリフトがよく似た操縦特性です。
<プロペラの横移動>
船尾から見て前進時に右に回転するプロペラを右回りのペラと言います(逆も同様)。試験では1軸右回り(右回りプロペラ×1つ)船の後進時の問題のみ。多くの船が1軸右回りだからです。
1軸右回り船はバック(後進)する際、何故か左に曲がっていきます。
理由1:プロペラが回転する際、各翼にかかる反作用は下側翼がより強くペラ自身が水中で回転方向に転がろうとします。(横圧力)
↓船尾から見た図。右回りペラは後進時は左に回転します。
理由2:放出流による側圧作用。→興味がある方は
理由3:プロペラの傾きによる左右ピッチの不均衡→さらに興味がある方は
以上のように1軸ではプロペラの回転から生ずる様々な癖がでてしまいます。ゆえに2軸船では左右のプロペラを逆仕様にして癖を相殺させています。
さらに1軸でもこのような構造で癖を相殺しているものもあります。
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<キック>
問27 航行中の小型船舶が舵を取った直後に生じるキックの説明として正しいものは、次のうちどれか。
(1) 船体が外側に傾く現象をいう。 (2) 船体が内側に傾く現象をいう。 (3) 船尾が原針路よりも外側に振り出される現象をいう。 (4) 船尾が原針路よりも内側に引き込まれる現象をいう。
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問27 前進航行中、右舷船首すぐそばに発見した浮遊物を、キックの作用を利用してプロペラに巻き込まないようにするためには、直ちにエンジンを中立にするとともに、舵をどのように操作するのが最も適切な操船か。次のうちから選べ。 (1) 右転舵いっぱい (2) 中央のまま (3) 左転舵いっぱい (4) 右、左交互に
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問27 航行中、キックの作用はどのような場合に利用できるか。次のうちから選べ。
(1) 波浪の衝撃を吸収する場合 (2) 風向の変化に対応する場合 (3) 船首付近の浮遊物を避ける場合 (4) 船体の安定を改善する場合
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<プロペラ>
問27 穏やかな水面に停止している排水型の一軸右回り船が、 舵を中央としてエンジンを後進にかけた場合、一般に船はどのように運動をするか。次のうちから最も適切なものを選べ。ただし、風や潮流の影響はないものとする。
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問27 穏やかな水面に停止している排水型の一軸右回り船が、舵を右にいっぱいに取ってエンジンを後進にかけた場合、一般にどのように運動をするか。次のうちから最も適切なものを選べ。ただし、風や潮流の影響はないものとする。
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問27 穏やかな水面に停止している排水型の一軸右回り船が、 舵中央のままエンジンを後進にかけた場合、船体はどのような動きをするか。次のうちから選べ。ただし、風潮流の影響はないものとする。
(1) 真後ろにまっすぐ進む。 (2) 船尾を左舷方向に振りながら進む。 (3) 船尾を右舷方向に振りながら進む。 (4) 船尾を左右に振りながら進む。
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