当社はマリーナ業ですが月に1回程度、不定期航路運送事業で3時間程度クルーズしています。不定期航路・・というのはわかりやすく言えば海上タクシー。バリバリやってはおりませんが陸上のバス、タクシー業同様、国交省の許認可事業です。
 大きな船ではないのでこの時期は出航できない日の方が多いです。で、先日、天気図を見て穏やかだろうと出たら結構荒れてまして・・。FB(フライブリッジ、2階にある操縦席)でも海水を浴びる有様で極寒なのもあり下のキャビン席で操縦しておりました。写真は穏やかそうですが荒れてるところでは写真を撮る余裕がないのです。普段はほとんどFBで操縦しています。FBは高い位置にあるので下より大きく揺れます。ですが下の方が怖いと感じました。原因は視界の悪さ。FBは高い位置から360度視界良好で遠くの波もよく見える。どう揺れるのか早めに想像でき、予想できる揺れは多少大きくても怖くないんだなと思いました。
 そんなこんなで今日はしんどいなと感じながらの航海だったのですが最後の一番荒れた海上でエンストしてかなり焦りました。ある調査のため各海域を巡る仕事で所々海上で船を止めるのですが、船は止まると更に揺れます。あまりの揺れに燃料タンクの吸い込み口からエアを吸ったようです。ディーゼルエンジンは燃料系統に空気が入ると止まります。たぶんそうかなと大揺れの中、慣れないエア抜き作業をしたらエンジンがかかったので一安心。4月から免税経由制度が変わるのでその切り替えのため燃料を入れるのを少し後らそう、これが終わったら給油しようと思い少なめの燃料で出航したのが原因です。後悔しました。
 韓国で飛行機事故がありました。事故はインシデントがいくつか重なって起きるそうです。今回は、天候判断の甘さ、燃料の判断の甘さ、ディーゼルエンジンに対する私の不慣れ、かな。
 水温は8度。最悪海に放り出される状況になったら浮いてても低体温で助からないなと考えたり冬の海は怖いですね。同乗の調査員の方たちには「すいませんねー、全然大丈夫ですよ~、ちょっとお待ちくださいね~」と無理やり笑ってましたが内心それどころではなかったです。これも経験とはいえプロとして本当に反省しております。